相場基調

関東地区の異形棒鋼市況は製鋼主原料の鉄スクラップ価格が急落したことから久方ぶりに弱気ムードが拡がり様子見が続いています。
ベースサイズ（SD295A　D16）の市中価格が6万6千円と2千円方、下がりました。しかし、関東地区メーカー各社は契約残を3‐4ヵ月程度抱えており、売り急ぐ気配はみられません。
原料の鉄スクラップ価格はこの1ヵ月で1万円ほど値下がりし昨年12月以来のトン3万円割れとなりました。
原料価格の大幅下落を受けゼネコンなど需要筋は下押し圧力を強めていますが、メーカーは「現在鉄スクラップ価格調整局面を迎えているが、再び騰勢を強める公算が大きい」とし販価維持に全力挙げる考えです。
関東地域では20階建て以上の超高層マンション建設計画が都心部で50棟、都下3棟、神奈川11棟、埼玉1棟、千葉5棟など予定されており、関東地区メーカーとしても売り腰は強く当面は需給双方の様子見、綱引き状態が続くものと思われます。
今後は国内及び海外も含めた鉄スクラップ相場の動向が注目されます。