相場基調

関東地区電炉メーカーは7月契約分販売価格をSD295A　D16ミリで11万5千円に引き上げました。製鋼主原料の鉄スクラップ相場が7万円大台を突破し高値が7万1500円まで上昇しました。しかし、7月9日に行なわれた鉄スクラップ輸出落札価格が6万7750円と、前回に続いて上げ幅が縮小したことを受け、一部の電炉メーカーが購入価格を据え置きました。その後関西地区メーカーが鉄スクラップの購入価格を引き下げた為に相場は9ケ月振りに1000−2000円反落となりましたが、高炉メーカーの高水準の購入は続いています。鉄スクラップ相場上昇は一服ですが、電炉メーカーの製品出荷平均単価はまだ8万円前後と言われ、赤字体質は改善されてないため8月の販売価格も引き上げるのではないかとの見方が有力です。
このところ、不動産会社や大手デベロッパーが民事再生法を適用するなど信用不安が本格化しマンション計画の見直しなど需要環境は悪化していますが、メーカーは赤字転嫁のため強腰の姿勢を保っています。8月は電炉メーカーの夏期減産で供給が絞られることも追い風に、メーカー各社の販売価格対応が注目されます。